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創業時の会計・税務情報

経費の考え方 その③(お金を出さなくても経費になるもの)


前回、お金を出しても経費にならない代表的な例を5つ紹介しました。節税をするには、どうしても会社からお金が出ていくことになります。しかし、なんとお金を出さなくても節税する方法があります。今回は、逆に、会社からお金を出す前に経費にする方法や、会社からお金を1円も出さないで経費をつくる方法をご紹介します。

未払経費の計上
期末の時点で「まだ支払をしていないが、支払することが確定しており、来期に支払いというもの」はすべて当期の経費にすることができます。例えば、給与の支払方法が当月分を翌月10日に支払う会社の場合は、決算月の給与を期末日に未払経理することができます。
また、社会保険料は当月分を翌月末日に納付することになっているため、決算月の社会保険料を期末日に未払経理することができます。その他に、諸経費の支払いをクレジットカード払いにしているような場合も、当期に購入したものは未払経費とすることができます。(ただし、固定資産などの資産計上すべきものは除きます。)


不良債権の貸し倒れ処理
過去に発生した売掛金で回収が滞っているものは、相手先の財政状態によっては、書面で債務免除の通知書を送ることにより債権の全額を貸倒損失(損金)処理することができます。また、相手先との取引が1年以上停止している場合には、一部の金額を除いて貸倒損失処理ができます。債権が回収できないということは望ましいことではありませんが、売掛債権の回収可能性は定期的にチェックして、不良債権は処分するようにしましょう。

貸倒引当金の計上
売掛金は、相手先の財政状況によっては回収することができず、貸し倒れることもあります。このため、将来の貸し倒れに備えて、貸倒引当金(損金)を計上することが認められています。貸倒引当金は、過去の実際の貸倒実績率に応じて計算する方法が原則ですが、中小法人の場合には簡便的に業種に応じた率を使用することも認められているため、過去に実際に貸倒の事実がなくても貸倒引当金を計上することができます。

自宅の一部や車を役員個人から借りる
社長個人の名義で借りている自宅を転貸したり、あるいは購入している自宅や車両を会社に賃貸して節税をする方法があります。この場合、会社は社長個人に賃借料の支払いをする必要がありますが、一般的な中小企業では、社長個人が会社に貸し付けているお金(代表者借入金)があると思いますので、会社は代表者借入金を返済するという形で賃借料を計上します。ただし、この場合、社長個人は賃料収入(不動産収入・雑収入)が発生することから、確定申告が必要となります。

不要固定資産の除却、不良在庫の処分
貸借対照表に計上されている固定資産がすべて稼働しているかどうかを確認し、パソコンやソフトウェアなど買い替えなどで除却していない場合には、除却損を計上します。また、在庫の見直しを行い、今後売れそうにないものは見切り処分をするか、廃棄処分をして処分損を計上します。流行性の高い商品については、陳腐化による評価損の計上が認められる場合があります。

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