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創業時の会計・税務情報

経費の考え方 その②(お金を出しても経費にならないもの)


世の中の中小企業の社長様の中には、「今期は予想に反して大きな売上があがって、納税額が昨年に比べて増加しそうだな」と嬉しい悲鳴をあげている方もいるでしょう。そんな時は、決算間際に節税目的でいろいろお金を使うことも多いと思います。でも、「ちょっと待ってください!その支払い、ちゃんと税金計算上経費(損金)になりますか?」今回は、お金が出ても損金にならない代表的なものをご紹介します。

期中で増額した役員給与
役員給与は、原則として、毎月同額を支給することで損金とすることができます。よって、決算近くになって節税目的で役員給与を増加したり、業績アップの貢献を理由に役員賞与を支給すると、これらは損金とすることができないため、節税にはなりません。

設備投資
建物附属設備、器具備品、車両、ソフトウェアなどの固定資産の購入は、原則として購入時に全額経費とすることはできません。これらは長期にわたって使用できるため、資産として取り扱い、減価償却を通じて経費化することになります。減価償却とは法律上決められている使用可能期間(耐用年数に応じて、毎年少しずつ経費にするということです。
ただし、1組20万円未満の資産については、その資産の耐用年数に関係なく、簡便的に3年で償却する方法が認められています。また、青色申告の中小企業者であれば、1組30万円未満の資産は、購入時に全額減価償却(全額経費化)することが認められています(ただし年間累計300万円まで)。


事務所の敷金や礼金
事務所を借りる際は、家賃の他に、敷金、礼金、保証料、仲介手数料、火災保険料などの支払いが発生します。これらのうち、退去時に返還される敷金は預け金であるため、支払時に経費とすることはできません。また礼金や保証料は、原則として賃貸期間に応じて経費化し(※)、火災保険料は保険期間に応じて経費化することになります。
(※)礼金や保証料は20万円未満であれば一時の経費とすることが認められています。


期末にまとめて仕入れた商品
商品を仕入れて販売するような小売業、卸売業では、仕入れた商品は資産であり経費ではありません。これらの商品は実際に販売できたときに、売上原価として経費化することができます。よって、決算間際に大量に商品を仕入れても、在庫として売れ残っている部分の金額は経費とすることはできません。また、理美容業や飲食業などで、仕入れた薬剤や食材費も、期末時点で消化していない部分は資産(貯蔵品)となるため、経費とすることはできません。

手付金や前払金
節税目的で、決算間際に来期の費用を前払いしているケースがよく見受けられます。例えば、WEB制作などの広告宣伝費やコンサルティング会社へのコンサル料の支払いなどです。これらは、サービスの提供が完了した時点で損金となりますので、支払っただけでは単なる前払金であり、節税にはなりません。

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